めし記

主に創作物の物語に関する考察を書くブログでございます

平沢進とクリエイターの新たなスタンダード

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上記3つの記事を読んでほしい。
貴方が漫画家や小説家ならばJASRACやレコード会社を特定の会社へと置き換えてやればいい。
漫画村の存在が広まったが、誰かが貴方を守ってくれただろうか?

ヒラサワと近しい道を歩いている人間は間違いなくいる。ただしキミにはそれを語らないかもしれない。
私が必要だと思うことは以下の3つ。

1.自分自身で販路を持つ
2.自分自身のコンテンツ化
3.ニッチさ

特に必要だと思うのは「1.自分自身で販路を持つ」です。
漫画村的なものを公式化した場合、真っ先に死ぬのは今単行本が売れなくて困っていると嘆く作家だろう。

巨大なファン層を持つあの作品やあの作品に、読み放題サービス内で並んで置かれた時に勝てるだろうか?

自分自身で販路を持つということ

中抜きを極力減らす、直接的な営業を他者に委ねない、権利は自分で持つ。
ネット上を問わず口コミで広まった作品というのは存在するだろう。
しかし、まず初めにその口コミをする人間に作品を開示するのは貴方である。

shop.teslakite.com
音楽のダウンロード販売が主流となる昨今において、平沢進は不思議なことに各種配信サービスでは聴けない

一部例外が存在しますが、それは彼が個人事務所を立ち上げる前の曲がほとんどです。
上記の(平沢進公式オンラインショップ)か一部のCDショップ、Amazonあたりでしか買えない。
また、DL販売の先駆者でありながら、ほとんどのアルバムはDL販売していないのであります。

ただし、このような策はヒラサワがステルスメジャーとして君臨しているからこそ為せる技であり、
この戦略を完全に真似するのは悪手だと考えられます。

貴方も私もヒラサワではないのでいくらかスケールダウンさせて考える必要はある。
ヒラサワはこうなる以前にTVでもP-MODELというバンドとして活動していた。
特に初期段階における作品を開示して人を集める行為自体は有象無象よりハードルが低かった可能性は高い。

コンテンツのインタラクティブ


【百足らず様が通る】足らず講釈サンプル#1 #2

ヒラサワは頑なにCDジャケットに自分を使うし、こうしてYouTubeで胡乱な話をする。
Twitterでもやっぱり胡乱な話をしたり、自分の旅行話をしたりする。
ライブはネット配信され、ユーザーは参加することでライブの行く末を左右出来たりもする。

ミュージシャンだけでなく、自身を「平沢進」という一つのコンテンツとして扱っているように見える。

何も貴方に顔出しせよと言っているわけでも、胡乱なお話をせよと言っているわけではない。
平沢進インタラクティブライブであったり、ニンジャスレイヤーの実況は一つのヒントとなりうる。

インタラクティブな体験を持たせることやユーザー同士体験の共有は一種のキーと考えられる。
これはポプテピピックのアニメにも見て取れるように思う。
Sound Horizonも同様だし、遡れば宗教もある種体験の共有であったのかもしれない。
メジャーな音楽業界もライブやそのグッズで収益を上げる方向にシフトしているという話もある。

ニッチとは組み合わせである


平沢進・第6フォルマント「コヨーテ」

Susumu Hirasawa The Man Climbing the Hologram Digest movie
曲を聴け

ヒラサワの源流はプログレニューウェーブと呼ばれるジャンルとされる。
その後テクノポップを経た後に、タイを訪れた際のショックからかアジア色が強く出る。
今はそれらとクラシック音楽(現代音楽?)が組み合わさっているように思う。
それが唯一無二性を生み出してヒラサワというジャンルを確立しているように考えられる。

色々複雑に絡み合っているのでジャンル論に関しては各自確認してください。

例えば、ゲーム音楽にボーカル、物語を組み合わせたRevo(Sound Horizon)
例えば、ハードロックとJ-POPを組み合わせたB'z

と、このようにも考えられる。
個々人の才能も強かっただろうが、そういった組み合わせの妙も考えて欲しい。ニッチも磨けば光る。
人生において何を選択するかが一番才能というものを決定するのかもしれない。

終わりに

pixivやTwitterなどのSNSで作品を開示し口コミを誘う行為は週刊誌や単行本の立ち読みが担っていたと思う。
ユーザーの大多数は体験した後にしかお金を払わない。それは音楽や小説なども同様だっただろう。

漫画村の存在は提供者に悪意があると言えども、個人間の貸し借りの延長かもしれない。
どうかその悪意に振り回されず冷静に状況判断し、決断的に立ち回って生き残って欲しい。

今の時代に合わせて上手く立ち回っているのは残念なことにソーシャルゲーム界隈だろう。
しかしソシャゲから参考にするのは「ガチャ」などというシステムではない。
スマホがあれば無料という参入障壁の低さやそれによる波及効果、課金のハードルの低さだと私は考える。

ストーリー不要の時代かというとそんなことは断じてない。
Fate/Grand Orderが流行ったのはFateというシリーズのストーリーや史実の英雄のストーリーを利用したから。
ポプテピピックが流行ったのは豊富なパロディで個々人が持つ体験を利用したから。
後付けとも取れますが、そのように考えることも可能です。

哀しいことに今、時代は変わりつつある。既に変わってしまったかもしれない。
弱者が単身で生き延びるにはあまりにも苛烈な世界であるように思う。
どうか貴方は私の屍を乗り越えて生き残って欲しい。